研修講師への質問では、話すタイミングを守り、質問を簡潔にまとめ、研修内容に関係する形で尋ねることが基本です。質問の前に所属や名前を名乗り、講師の説明をさえぎらないようにすると、相手にも内容が伝わりやすくなります。
研修講師への質問で守りたい基本マナー
質問するときは、次の順番を意識するとスムーズです。
- 質問してよいタイミングか確認する
- 名前や所属を簡単に名乗る
- 何について聞きたいのかを先に伝える
- 質問を一つずつ、短く具体的に尋ねる
- 回答を聞いたら、お礼を伝える
たとえば、次のように聞くと自然です。
「営業部の山田です。先ほどの顧客対応について質問があります。初回訪問で相手の要望が整理されていない場合、どのような質問から始めるとよいでしょうか」
前置きを長くするよりも、研修のどの部分について、何を知りたいのかを明確にすることが大切です。
質問するタイミングに注意する
講師が「質問はありますか」と案内したときや、質疑応答の時間に質問するのが基本です。説明の途中で疑問が生じても、すぐに話をさえぎらず、メモをして質問時間まで待つとよいでしょう。
ただし、説明を理解するために必要な確認であれば、講師の話が一区切りついたところで「今の点について確認してもよろしいでしょうか」と断ってから尋ねます。
質問時間が設けられていない場合は、次の方法を選びます。
- 休憩時間や終了後に講師へ声をかける
- 運営担当者を通じて質問する
- オンライン研修のチャットや指定フォームを使う
研修の進行を止める可能性があるため、講師へ直接近づく場合も、講義中ではなく休憩中や終了後を選びます。
質問は「具体的な場面」を添える
「どうすればいいですか」とだけ聞くよりも、自分が置かれている状況を短く添えると、講師は回答しやすくなります。
| 分かりにくい質問 | 具体的な質問 |
|---|---|
| コミュニケーションのコツは何ですか | 相手が無言になったとき、会話を続けるためにどのような声かけをするとよいですか |
| この方法は使えますか | 部下との1on1で、この方法を使う場合の注意点はありますか |
| うまくいかないときはどうしますか | 相手が提案を断り続ける場合、次に確認すべきことは何ですか |
実際の業務について質問するときは、取引先名や個人名などの機密情報を出さず、「自社の顧客」「チームのメンバー」のように置き換えて説明します。
質問を簡潔にまとめる
一度に複数の質問を長く話すと、講師がどれに答えればよいか分かりにくくなります。まず最も知りたいことを一つ尋ね、必要であれば回答を聞いた後に追加質問をします。
質問を事前に整理するときは、次の形にするとまとめやすくなります。
- 背景:どのような場面か
- 困っていること:何が判断できないのか
- 知りたいこと:講師に何を答えてほしいのか
たとえば、「新しい業務を担当しています。相手への説明が一方的になりやすいことに困っています。説明の途中で相手の理解を確認する方法を教えてください」といった形です。
反対意見や失敗例を質問するときのマナー
研修内容に疑問や反対意見がある場合も、講師を責めるような言い方は避けます。「その方法は間違いではないですか」ではなく、「私の職場では別の対応をすることもあります。この方法を使い分ける基準はありますか」と尋ねると、建設的なやり取りになります。
自分の経験を伝える場合も、研修内容を否定するのではなく、条件の違いを確認する形にします。研修で紹介された方法がすべての職場や状況に同じように当てはまるとは限らないため、適用できる条件を聞くことが有効です。
質問してはいけない内容はある?
質問そのものが禁止されているとは限りませんが、研修の目的から大きく外れる内容や、個人情報・機密情報を含む内容は避ける必要があります。
- 研修と関係のない個人的な相談
- 同じ内容を何度も繰り返す質問
- 特定の参加者を批判する質問
- 取引先や同僚が特定できる情報を含む相談
- 講師の経歴や私生活を必要以上に尋ねる質問
個別の人事問題や職場のトラブルなど、研修中に扱いにくい内容は、上司や人事部門、研修の運営担当者に相談するほうが適切な場合があります。
オンライン研修で質問するときの注意点
オンライン研修では、質問方法があらかじめ決められていることがあります。挙手機能、チャット、Q&A機能など、案内された方法を使いましょう。
チャットに投稿する場合は、文章だけで内容が伝わるように書きます。全員に表示される設定であれば、個人的な事情や社内の機密情報は入力しません。
投稿例は次のとおりです。
「営業部の佐藤です。○ページの事例について質問です。相手の要望が複数ある場合、最初に優先順位を確認する方法を教えていただけますか。」
発言が許可された場合は、マイクをオンにする前に周囲の音を確認し、質問が終わったらマイクをオフにします。
研修後に講師へ質問するときのマナー
研修終了後に質問する場合は、講師の予定を考えて、最初に「今、お時間よろしいでしょうか」と確認します。質問が長くなりそうなら、質問の概要を伝え、後日メールなどで回答してもらえるか相談します。
メールで質問する場合は、件名に研修名や質問の要件を入れ、本文では名前、受講日、質問内容を簡潔に書きます。研修直後の講師は複数の参加者から連絡を受ける可能性があるため、どの研修に関する質問かを明記すると確認しやすくなります。
質問後は回答を業務にどう生かすか確認する
回答を聞いたら、「ありがとうございます」と伝えるだけでなく、必要に応じて「まずはこの方法を試してみます」と、自分の次の行動を整理すると理解が深まります。
回答が自分の状況にそのまま当てはまるか分からないときは、「私のようなケースでは、どの点を調整すればよいでしょうか」と追加で確認します。ただし、質問を続ける場合は、他の参加者の時間を使いすぎないよう注意が必要です。
研修講師への質問は、タイミング、簡潔さ、具体性、相手への配慮がポイントです。「何を知りたいのか」と「どの場面で使いたいのか」を整理してから、指定された方法で尋ねると、回答を実際の業務に生かしやすくなります。







