評価面談で目標を伝えるときは、単に「頑張ります」と話すのではなく、何を、いつまでに、どの水準まで達成するのかを具体化することがポイントです。会社や上司が重視する成果と、自分の行動・成長を結び付けて説明すると、目標の意図が伝わりやすくなります。
評価面談で目標を伝える基本の型
目標は、次の順番で伝えると整理しやすくなります。
- 今期に取り組むテーマを示す
- 達成したい成果を数字や状態で示す
- 成果を出すための具体的な行動を説明する
- 期限と確認方法を伝える
- 必要な支援や相談事項を伝える
たとえば、営業職なら「売上を上げたい」だけで終わらせず、「既存顧客への提案回数を増やし、上期末までに新規契約を3件獲得する。そのために毎月10社へ課題確認の面談を提案する」のように話します。
目標は「成果」と「行動」に分けて伝える
評価面談では、最終的な成果だけでなく、成果につなげる行動もセットで伝えることが大切です。成果だけでは本人が何をするのか分かりにくく、行動だけでは会社への貢献が見えにくいためです。
| 項目 | 伝える内容 | 例 |
|---|---|---|
| 成果目標 | 最終的に達成したい結果 | 問い合わせ対応の平均時間を20%短縮する |
| 行動目標 | 成果のために実行すること | よくある質問を整理し、対応テンプレートを作成する |
| 期限 | いつまでに達成・実施するか | 第1四半期中に作成し、翌月から運用する |
| 確認方法 | 達成状況を何で判断するか | 対応時間の月次データで前月と比較する |
「頑張る」ではなく、達成状態を具体的にする
「業務改善を頑張る」「積極的に提案する」といった表現は、意欲は伝わりますが、評価の基準が分かりにくくなります。誰が見ても達成状況を確認できる表現に置き換えましょう。
| 抽象的な表現 | 具体的な伝え方 |
|---|---|
| 業務を効率化する | 月末の集計作業を見直し、作業時間を前期比で30分短縮する |
| 顧客満足度を高める | 納品後の確認連絡を実施し、対応漏れを月1件以内に抑える |
| チームに貢献する | 月1回、担当業務のノウハウを共有し、チーム内で再利用できる資料を3本作成する |
| 専門性を高める | 担当業務に必要な研修を修了し、学んだ内容を業務改善に1件活用する |
数値化が難しい目標は、作成物、実施回数、期限、関係者からの確認など、別の基準を設定します。無理に数字だけを入れるのではなく、達成したかを判断できる状態を示すことが重要です。
会社やチームの目標とのつながりを説明する
自分が取り組みたいことだけでなく、部署やチームの課題にどう貢献するかを伝えると、目標の必要性が伝わりやすくなります。
たとえば、「資格を取得する」だけでは個人の成長目標に見えますが、「資格で得た知識を使って、担当業務の確認手順を見直し、ミスの削減につなげる」と説明すれば、業務への貢献まで示せます。
目標を話すときは、次のようなつなぎ方が使えます。
- 「チームの課題である〇〇に対して、私は△△に取り組みます」
- 「部署の□□という方針に合わせ、担当業務では〇〇を達成します」
- 「前期に課題となった〇〇を改善するため、今期は△△を実施します」
前期の振り返りから次の目標へつなげる
新しい目標だけを話すよりも、前期の実績や課題を踏まえて説明すると、目標に納得感が出ます。振り返りは、事実、原因、次の行動の順番で整理します。
- 前期にできたこと、できなかったことを確認する
- 結果に影響した原因を整理する
- 今期に改善する点を決める
- 改善の結果として目指す状態を設定する
たとえば、「前期は納期内に対応できた案件が目標の80%でした。確認依頼が集中する時期に手戻りが増えたため、今期は初回確認の項目を整理し、納期内対応率90%を目指します」と伝えます。
原因を説明するときは、周囲のせいだと受け取られないように注意が必要です。事実を示したうえで、自分が改善できる行動まで話すと建設的になります。
目標の優先順位を決めておく
目標を多く設定しすぎると、どれを優先するのか分からなくなります。評価面談では、重要度の高い目標を2〜3個程度に絞り、それぞれの優先順位を説明できるようにしておくとよいでしょう。
優先順位は、次の基準で考えられます。
- 会社や部署への影響が大きいか
- 期限が決まっているか
- 自分が責任を持って進められるか
- 他の業務やメンバーへの影響が大きいか
- 達成状況を確認できるか
すべてを最優先にすると、実際には優先順位がない状態になります。「最優先は納期対応、次に業務改善、その次に知識習得」というように、順番を決めておきましょう。
上司と目標の水準や条件をすり合わせる
目標を一方的に宣言するのではなく、達成水準や期限が適切かを上司と確認することも大切です。目標が低すぎると評価につながりにくく、高すぎると通常業務との両立が難しくなる可能性があります。
次の点を面談で確認しましょう。
- その目標は部署の方針と合っているか
- 達成基準は何か
- 期限や中間確認の時期はいつか
- 通常業務との優先順位をどうするか
- 必要な権限、情報、協力を得られるか
支援を求めるときは、「できません」とだけ伝えるのではなく、「〇〇を達成するには、△△の情報共有が必要です。月1回、関係部署と確認する機会を設けられますか」のように、必要な支援を具体化します。
評価面談で使える目標の伝え方の例
目標を伝えるときは、次のような形にすると話がまとまりやすくなります。
「今期は、〇〇を改善することを目標にします。前期は△△という課題があったため、□□を実施し、〇月までに××の状態を目指します。進捗は毎月〇〇で確認し、必要に応じて方法を見直します。達成のために、△△の支援をお願いしたいです」
事務職の例では、次のように伝えられます。
「今期は、請求処理の確認漏れを減らすことを目標にします。前期は繁忙期に確認が後回しになることがあったため、チェックリストを作成し、毎月の処理前に運用します。確認漏れを前期より減らし、3か月後に運用状況を確認したいです」
目標の数値や期限は、実際の業務内容や会社の評価制度に合わせて調整してください。例にある数値をそのまま使う必要はありません。
避けたい目標の伝え方
次のような伝え方では、目標の評価基準や実行方法が分かりにくくなります。
- 「とにかく頑張ります」と意欲だけを話す
- 目標を多く挙げ、優先順位を示さない
- 達成期限や確認方法を決めていない
- 自分の成長だけを話し、業務への貢献を説明しない
- 実現が難しい理由だけを話して終わる
- 面談の場で初めて目標を考え、根拠や実績を確認していない
特に、評価を上げたいという気持ちだけを前面に出すと、目標の内容が不明確になりがちです。「どの成果を出せば評価につながるのか」を確認し、会社の評価項目と自分の目標を結び付けて話しましょう。
面談前に確認すること
面談前には、次の項目をメモに整理しておくと、落ち着いて説明できます。
- 前期の実績と未達だった項目
- 今期に改善したい課題
- 目標とする成果、期限、確認方法
- 成果につなげる具体的な行動
- 目標の優先順位
- 上司に確認したい点や必要な支援
目標を伝えた後は、「この内容で評価基準と合っていますか」「達成水準について、修正したほうがよい点はありますか」と確認すると、認識のずれを減らせます。面談後は、決まった目標や期限を記録しておき、定期的に進捗を振り返りましょう。
評価面談で目標を伝えるポイント
評価面談の目標は、成果・行動・期限・確認方法を具体的にし、チームや会社への貢献と結び付けて伝えることが基本です。前期の実績や課題を根拠にしながら、優先順位と必要な支援まで話すと、実行可能な目標として共有しやすくなります。
まずは「今期に達成したい成果は何か」「そのために何をするか」「いつ、何で確認するか」の3点を書き出し、上司と達成基準をすり合わせてください。







