クッション言葉とは、依頼・断り・反対意見などを伝える前に添えて、相手への配慮を示す言葉です。ビジネスでは、「恐れ入りますが」「差し支えなければ」「あいにく」などを使うと、伝えにくい内容もやわらかく伝えられます。
ビジネスで使えるクッション言葉の例
| 伝えたい内容 | クッション言葉 | 使用例 |
|---|---|---|
| 依頼する | お手数をおかけしますが | お手数をおかけしますが、ご確認をお願いいたします。 |
| 質問する | 差し支えなければ | 差し支えなければ、ご都合のよい日時をお聞かせください。 |
| 相手に待ってもらう | 恐れ入りますが | 恐れ入りますが、回答まで今しばらくお待ちください。 |
| 断る | あいにく | あいにく、今回はご希望に沿うことができません。 |
| 意見を述べる | 僭越ながら | 僭越ながら、別の方法も検討してはいかがでしょうか。 |
| 訂正を求める | 申し上げにくいのですが | 申し上げにくいのですが、記載内容に一部誤りがあるようです。 |
| 再度依頼する | 重ねてのお願いで恐縮ですが | 重ねてのお願いで恐縮ですが、資料を本日中にお送りいただけますでしょうか。 |
依頼するときのクッション言葉と例文
相手に作業や確認をお願いするときは、負担をかけることへの配慮を先に伝えると、依頼の印象がやわらぎます。
- お手数をおかけしますが、添付資料をご確認いただけますでしょうか。
- 恐れ入りますが、こちらの書類にご記入をお願いいたします。
- ご面倒をおかけしますが、内容をご確認のうえ、ご返信ください。
- 可能でしたら、明日までにご対応いただけますと幸いです。
- 差し支えなければ、詳しい状況をお聞かせいただけますでしょうか。
急ぎの依頼では、「お手数をおかけしますが、○月○日までに」のように、期限と依頼内容を具体的に示すと相手が判断しやすくなります。
断るときのクッション言葉と例文
断る場合は、クッション言葉だけで終わらせず、結論と理由を簡潔に伝えます。対応できないことをあいまいにすると、相手が再度依頼する可能性があるためです。
- あいにく、現在は在庫を切らしております。
- せっかくお声がけいただいたところ恐縮ですが、今回は見送らせていただきます。
- 大変申し上げにくいのですが、ご希望の納期での対応は難しい状況です。
- ご期待に添えず申し訳ございませんが、今回はお引き受けいたしかねます。
- 恐縮ですが、弊社の規定により対応いたしかねます。
代わりの案を提示できる場合は、「あいにくご希望の日時は難しいため、○日でしたら対応可能です」のように続けると、前向きな印象になります。
質問や確認をするときのクッション言葉と例文
相手の事情を尋ねたり、確認を求めたりするときは、答えを強制しない表現が役立ちます。
- 差し支えなければ、ご利用の目的をお聞かせください。
- 失礼でなければ、現在のご担当者様を教えていただけますでしょうか。
- 念のため確認させていただきたいのですが、納品日は○月○日という認識でよろしいでしょうか。
- お伺いしてもよろしいでしょうか。今回の変更理由をお聞かせください。
- 可能な範囲で構いませんので、詳しい状況をご共有いただけますでしょうか。
反対意見や訂正を伝えるときのクッション言葉と例文
相手の意見を否定するのではなく、自分の考えとして伝えると、対立的な印象を抑えられます。
- 僭越ながら、別の案も検討してはいかがでしょうか。
- 私の認識違いでしたら申し訳ありませんが、資料の数値が異なっているようです。
- 恐縮ですが、こちらの内容について再度ご確認いただけますでしょうか。
- 一つの案として、作業の順番を変更する方法も考えられます。
- 差し出がましいようですが、先に優先順位を整理してはいかがでしょうか。
相手に待ってもらうときのクッション言葉と例文
回答や対応に時間がかかる場合は、待ってもらう理由と、分かる範囲の目安を伝えます。
- 恐れ入りますが、確認に時間を要するため、明日までお待ちいただけますでしょうか。
- お待たせして申し訳ございません。現在、担当部署に確認しております。
- 恐縮ですが、詳細を確認のうえ、改めてご連絡いたします。
- 確認が取れるまで、今しばらくお時間をいただけますと幸いです。
「少々お待ちください」だけでは待ち時間が分からないため、可能であれば「本日中」「○時頃まで」などの目安を添えます。
電話やメールで使いやすいクッション言葉
電話で使う例
- 恐れ入りますが、お名前をもう一度お聞かせいただけますでしょうか。
- 申し訳ございませんが、担当者はただいま席を外しております。
- お待たせして申し訳ございません。確認が取れましたのでご案内いたします。
- 差し支えなければ、折り返し先のお電話番号をお伺いできますでしょうか。
メールで使う例
- お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどお願いいたします。
- ご多用のところ恐縮ですが、○月○日までにご返信いただけますと幸いです。
- 突然のご連絡となり恐縮ですが、弊社サービスについてご案内申し上げます。
- 行き違いでしたら申し訳ございません。先日お願いした件について、念のためご連絡いたしました。
クッション言葉を使うときの注意点
クッション言葉は、相手への配慮を示すための表現です。多用すると、本題が分かりにくくなったり、かえってよそよそしい印象になったりするため、要所で使います。
- クッション言葉の後に、依頼や結論を具体的に書く
- 断るときは、可能なら代替案や次にできることを示す
- 「すみませんが」よりも、社外では「恐れ入りますが」「恐縮ですが」を使う
- 「よろしければ」と「必ずお願いします」など、意味が合わない表現を組み合わせない
- 相手に責任がある場合でも、必要以上にへりくだらず、事実を正確に伝える
基本の形は、「クッション言葉+用件+具体的な期限や方法」です。たとえば、「お手数をおかけしますが、添付資料をご確認のうえ、金曜日までにご返信ください」のように使います。
ビジネスでクッション言葉を使うときは、伝えにくい内容ほど「恐れ入りますが」「恐縮ですが」「あいにく」などを添えます。ただし、クッション言葉だけで終わらせず、何をしてほしいのか、いつまでなのか、対応できるのかを明確に伝えることが大切です。







